一戸建ての新築住宅の生活音ってどんなイメージがありますか?隣の家とも離れているし、そこまで気にしなくてもいいのでは、なんて思っていま
せんか?
確かに、マンションやアパートに比べると戸建て住宅は生活音でのトラブルが少ないですが、防音対策はしっかり考えることをおススメします。
土地が狭く隣の家との距離が近い場合、マンションやアパートと同じように、生活音が聞こえてくる、またはこちらの生活音が隣の家に聞こえてし
まうことも少なくありません。
また、戸建て住宅に住むまでわからなかった住宅内でのご家族の生活音がストレスになってしまうことも。
今回は、「音」に関するあれこれをご紹介します。
|騒音の種類
音には種類があり、大きく3つに分けられます。それぞれの音の特徴を見ていきましょう。
⑴空気音(空気伝播音)
空気を伝わって響く音で、日常生活とは切り離せない外から聞こえてくる音です。例えば人の
話し声やTVの音、犬の鳴き声や救急車のサイレン、雷の音などが挙げられます。
⑵固体音(固体伝播音)
地面や床、壁などを振動させて伝わる音です。足音や水回りの音などの生活音や、ピアノの音
が挙げられます。
⑶空気音と固体音が混ざった混合音
空気音と固体音の要素が両方ある、直接耳に届き、壁や床を伝わって響く音です。工事現場の
音や大型トラックが通る音などが挙げられます。
これらの音は、家の間取りや構造によって伝わり方が変わり、空気音は窓や壁などで遮断する
ことができます。
|騒音と感じる音量
人によって、騒音と感じるレベルは違います。一般的に楽器の音や大きな話し声は騒音ととら
れることが多いですが、中には洗濯機や掃除機の音が不快に感じる方もいらっしゃいます。音
の大きさは㏈(デシベル)で表され、住宅地における望ましい音量は、昼間は55㏈以下、夜間
は45㏈以下が推奨されています。
大きさの目安は、60㏈は走行中の自動車の中程度、50㏈は換気扇の稼働音が聞こえる程度、
40㏈は図書館ほどの静かさです。
|防音対策
お家を建ててからできる簡単な防音対策はもちろんありますが、大がかりな工事が必要になる
ものもあります。そのため新築時から対策を行うのがおススメです。そこで、間取りと一緒に
考えていただきたい防音対策をご紹介します。
・子供部屋の配置
こちらは主にお子さんがいらっしゃるご家庭です。来客の対応をしたり、ご家族が集まるリビ
ングの上に子供部屋があると、子供の足音やおもちゃを落とす音などが響いてしまいます。リ
ビングの上を避けるだけで2階からの音が聞こえづらくなります。
・水回りの配置
トイレやお風呂、洗濯機などは、音がうるさくてリラックスできなかったり、よく眠れないこ
とを防ぐためにもリビングや寝室から離した方が良いでしょう。また、隣の家が近い場合も隣
の家から離した方が騒音トラブルの防止にも繋がります。
・窓ガラスの工夫
複層ガラスや二重窓、二重サッシも充分防音対策になります。こちらは隣の家が近い場合、隣
の家側に設置することをおススメします。この時、窓が隣合わないよう注意しましょう。
・床材
床材を工夫することで、2階からの足音を軽減することができます。畳は吸音性があるため、家
庭内から出る騒音を軽減してくれます。また一般的によく使われるフローリングも、遮音加工
がされているものもあるため、子供部屋や廊下などに使用すると音の軽減が期待できます。
このほかにも、高気密・高断熱の住宅も遮音性が高いと言われています。構造で防音を求める
場合は、高気密・高断熱を売りにしている住宅会社も候補に入れてみるのもいいかもしれませ
ん。また、住んでから気になった場合は、カーペットを引くなどの対策もできます。
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新築で住宅を建てる場所は、あなたが一生住む場所です。自分が気にならない音でも、周りの人には不快に感じることもあります。生活音が原因で
トラブルになることは避けたいですよね。全ての部屋を間取りの工夫だけで防音対策ができるわけではありませんが、どの部屋の防音が大切か優先
順位を付けて対策をすることができます。防音対策をしっかり行って、ご家族だけでなく近所の方も快適に過ごせるお家づくりをしましょう。