新築を建てる時、暮らしやすさと同様、安全な家を計画する必要があります。小さなお子さんや高齢者がいるお家はもちろん、将来自分たちが高齢
になった時に安全な家が良いですよね。特に小さなお子さんや高齢者にとっては小さな段差も危険なものになります。
あるデータでは、住宅内の事故死は交通事故の約2倍ともいわれています。特に今年は新型コロナウイルスの影響もあり、お家で過ごす時間が長いた
め、お家の中での事故が例年より増えてしまうかと思います。
家族全員が安心して暮らせる家にするために、今回は家の中の事故についてお話します。
|どんな事故が起きているのか
実際にどんな事故がお家のなかで起きているのか、場所ごとの事故と対策をご紹介します。
・浴室での事故
浴室では足を滑らせて転んでしまう、浴室で溺れてしまう、寒い浴室で暑いシャワーを浴びて
いることによるヒートショックなどがあります。浴室の床は滑りにくいものが増えているため
そちらを採用すると良いでしょう。また浴室の壁と浴槽内に手すりを付けることで転倒や溺れ
てしまうのを防ぐことができます。ヒートショックは温度差で起きる現象のため、お風呂に入
る前にシャワーや浴室暖房機で浴室を温めておくとヒートショックのリスクが減らせるでしょ
う。
・階段での事故
階段では踏み外しての転落事故が起きています。手すりを付けることはもちろんですが、滑り
止めを付けたり、夜間に階段を使用するときのためにフットライトを設置することでも対策が
できます。
・その他の部屋での事故
上記の2か所以外の部屋では、熱中症や扉に手を挟んでしまうなどの事故が起きています。窓が
向かい合わせに設置してある場合はどちらも開けることで風通しが良くなります。そうでない
場合も、扇風機やエアコンなどをうまく活用して部屋の温度を上げないようにしましょう。基
本である水分、塩分補給も忘れずに!
扉での事故を防ぐためには、引き戸の場合ソフトモーション機能の付いた扉、開き戸の場合は 隙間に指挟み防止機能のある扉を使用すると良いでしょう。ソフトモーション機能があると指
挟みの防止と開閉の際の音も軽減できますね。
今回ご紹介した以外にも家の中には危険がたくさんあります。お子さんや高齢者の方は思わぬ
ところから事故に繋がってしまうため、新築を計画している方は今の家で危険だと感じた箇所
をリスト化しておくといいかもしれません。
|ヒートショックとは
浴室の事故で多いヒートショックですが、初めて聞いた方もいるのではないでしょうか。
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が乱高下したり、脈拍が変動する現象のこ
とを言います。特に高齢者の方や高血圧、糖尿病などの持病がある方はヒートショックのリス
クが高いと言われています。冬場に暖房が効いた部屋から廊下やお風呂、トイレなどの寒い場
所に移動した時や、深夜や早朝に暖まった布団から出たときなどに起きることがあります。こ
のような温度差に急激にさらされると、脳卒中や心臓発作を引き起こすリスクが高まります。
またヒートショックは浴室と脱衣所の温度差が10度以上になるといけないという医学的な見解
もあるようです。温度差で起こる現象のため古い住宅でしか起こらないと思われがちですが、
新築住宅でも起こる可能性があるため、特に高齢者の方は注意する必要があります。
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いかがだったでしょうか。今回は家の中での事故ということで少し怖いお話でしたが、どの家庭でも誰にでも起こりうる可能性があります。
せっかくの新築ですから、こんな事故は防ぎたいですよね。対策をしっかり打って、ご家族が安心して過ごせるお家にしましょう。