新築を建てるためには、土地を探す必要があります。その際、「用途地域」という言葉をよく目にするかと思います。よくわからないし何だか難し
そう、とスルーしていると、制限が多くて希望の家が建てられない・・・、なんてことになりかねません。そんな失敗がないように、今回は用途地
域についてご説明します。
|用途地域とは?
用途地域とは、計画的に街づくりを行うための都市計画法で定められ、地域によりその土地で
どんな高さ・床面積・種類の建物を建てられるかを制限し、統一性のある街にするためのもの
です。用途地域は大きく分けて「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分けられ、さらに細
かく13種類に分類されます。その中でも住居系は8種類となっていますが、同じ住居系でも建
てられる大きさや種類が違うため、用途地域によって暮らし方が大きく変わります。
|住宅を建てることができる用途地域
実際に住宅が建てられる地域は工業専用地域以外の12種類ですが、今回は主に建てられる住居
系8種類の特徴と環境をご紹介します。
⑴第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域で、戸建てが並ぶ閑静な住宅街をイメージしてみてください。この地域
には、小規模な店舗兼住宅、診療所、小中学校などが建設できます。日常の利便性には欠けま
すが、車移動がメインの方であれば特に不便さは感じないでしょう。建物の高さが10mまたは
12mに制限されるなど他の地域よりも規制が厳しい地域です。
⑵第二種低層住居専用地域
第一種の建物に加え、150㎡の2階建てまでであればコンビニなどの小規模店舗なども建設する
ことができます。第一種に比べると少し制限が緩和されていますが、こちらも高さ制限が10m
または12mとなっています。
⑶第一種中高層住宅専用地域
中高層住宅のための地域で500㎡の中規模店舗や公共住宅、病院、大学や店舗が建設でき、住
環境と生活の利便性がある程度確保できる地域と言えます。高さ制限がないため、中高層マン
ションが立ち並ぶ地域になります。
⑷第二種中高層住宅専用地域
第一種に加え、1500㎡で2階建てまでの店舗や事務所などが建設できます。病院やスーパーな
どが建設できるため、かなり利便性が高い地域と言えます。
⑸第一種住居地域
住居の環境を守るための地域で、3000㎡までの事務所、ホテル、遊戯施設、また50㎡以下で安
全であれば、小規模な工場が建設できます。
⑹第二種住居地域
第一種に加え、床面積の制限なく事務所が建設できます。10000㎡までであれば、パチンコ店
やカラオケ店なども建設できます。娯楽施設が多く建設されるため、騒音が懸念されます。苦
手な方は第二種住居地域の土地を購入する際、周りの環境をよく調べる必要があります。
⑺準住居地域
住居と自動車関連施設などが調和した環境を守るための地域で、第二種住居地域よりも多くの
施設が建設でき、小規模な映画館、倉庫なども建設できます。人が集まりやすい施設が多いた
め、閑静な住宅街を望む場合は避けた方が良いでしょう。
⑻田園住居地域
平成30年4月より新設されたもので、主に農地や農業関連施設と住宅が共存できるように制定
された地域です。イメージとしては、低層住居地域に農地が広がっているような地域になりま
す。
|
|
|
いかがだったでしょうか。今回は住宅系の用途地域をご紹介しましたが、気になった方はぜひ商業系、工業系の用途地域も調べてみてくださいね。
同じ住宅系の用途地域でも建てられる建築物は大きく違います。土地を検討されている方は購入したい土地の用途地域を調べるとともに、周辺の用
途地域も調べてみると、自分の希望する生活の利便性もわかりますよ。
土地そのものの広さなども大切ですが、周りの環境もとても大切です。自分に合った土地探しができますように。